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2008年2月18日 (月)

宣言 ( アイドル愚考録 )

 私は確信した。

 『 今年のグラビアを引っぱるのは谷桃子である 』

 この言葉を自信を持って言えるのは、先週号のヤングジャンプでの彼女のグラビアが、素晴らしいものだったからだ。

 純粋に賛美の言葉しか出てこない。

 雪国での撮影なのだが、通常のケースであれば、十中八九『 雪 』の持つ純粋さ、儚さを効果的に使うために叙情溢れる作品になることが多い。しかし、今回の撮影ではそれらを抑え、寧ろ叙情とのミスマッチを意図的に狙う、実験的な試みがなされていた。

 彼女は真っ白な雪の中を、水着姿で歩き回っているのだ。

 それは、雪国の日常とはまるで乖離した、非日常の光景である。

 ここで思わず「巧い」と唸らされたのは、彼女が部分的にマフラーや毛糸のキャップなどの防寒具を着けていることだ。これが、見る者の意識が非日常へ飛躍することを拒む、繋留策の役目を果たしている。あくまでこの光景がファンタジーではなく、現実の延長線上にある光景だと主張する、小さなサインとなっているのだ。

 先程、『 叙情性を排した 』と述べた。しかし僅かなカットではあるが、本来の詩情に満ちた雪のなかでのグラビアも挿入されている。

 私はこの選択を正解だと思っている。雪とのミスマッチだけで構成してしまうと、そこに撮影側のエゴまでが透けて写ってしまうからだ。

 鼻息が荒いのは結構だが、権威に咬みつくだけで自己を主張してしまうと、結局、相手のネームバリューに依存する破目に陥る。バランスが肝心なのだ。

 それに、この情感溢れる数枚のカットがまたすばらしかった。

 温かな湯につかり、白い肌を艶っぽく上気させた谷桃子。

 雪原に横たわって静かに目を閉じた、聖女のような谷桃子。

 特に素晴らしかったのが、青く高い空を見上げ、はるか遠くの誰かに思いを馳せているような彼女のグラビアだ。

 僅かに開いた唇からは、写真上には写っていないが、確かに立ちのぼる彼女の白く温かな呼気が感じられる。

 雪の中にも関わらず、人間の温もりが肌越しに伝わってくる、すばらしい作品だ。撮影側の判断しだいで、これが見られなかったと思うと、途端に背筋が寒くなる。

 以上、述べてきたように今回のヤングジャンプは素晴らしかった。もしかすると彼女の、グラビアアイドルとしての代表作となるかもしれない。

 だが、彼女なら私のそんな確信を打ち砕く、今回の作品を単なるステップだったと思わせるような、感動的なグラビアを披露してくれるに違いない。

 その日を心待ちにしつつ、それまではこのヤングジャンプを眺めていようと思う。

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