« 声優語り14・銀魂声優陣 | トップページ | 目線 »

2008年2月 4日 (月)

鬼門 ( アイドル愚考録 )

吹石一恵について語るのは難しい。

彼女を語ろうとすると、とたんに言葉が具体性を欠いてしまうからだが、特に彼女を褒める時は細心の注意が必要だ。抽象的になりがちで、力のある言葉がでてこなくなるのだ。

たとえば彼女を語る際、『 清楚 』という言葉がよく登場する。確かに彼女には朝の清浄な空気を思わせる雰囲気がある。又、『 神秘的 』といったフレーズも多用されるが、これも納得のゆく選択ではある。巫女装束に身を包んでいる彼女を想像するのは、決して難しい仕事ではあるまい。

以上にあげた言葉は、確かに彼女を語っているようだが、実際には単なる観念論でしかない。吹石一恵について思考を重ねていく内、いつのまにか中心にいたはずの彼女を見失い、観念世界の堂々巡りに入り込んでいるのだ。

彼女について論じるのではなく、イメージが先行した結果、はなはだしく客観性を欠いた、自らの頭だけで作り上げた架空の吹石一恵論になってしまうのである。

しかし、グラビアははっきりと対象を写し取る。イメージによる歪曲は、動きのある映画やドラマよりも弱くなる。

そういう意味で、彼女が表紙を飾った今週号のビックコミックスピリッツは、絶好の研究対象である。

私個人の感想を述べれば、表紙の一枚以外はそれほど好みではない。しかし、どの写真も強く印象に残っている。

彼女の顔はとても個性的だ。いや、個性的という言葉では物足りない。彼女の顔はアクが強い。

うりざね形の小さな顔。しかし、そこに収められたパーツはアンバランスに肉感的だ。その唇はぼってりとして色っぽい。特筆すべきはその二重目蓋だ。目のすぐ上にある肉の厚みが常人よりかなり厚めである。

その為、角度によってはアイラインが過度に強調されてしまい、ゴテゴテと厚いメイクを施しているように見える。

そこには『 清楚 』や『 神秘的 』の欠片もない。

あるのは『 退廃 』や『 猥雑 』だ。

それらのキーワードから導かれるのは、マレーネ・ディードリッヒ、グレタ・ガルボといった悪女のアーキタイプである。

彼女らは決して絶世の美女ではなかった。人によっては「NO」と激しく拒絶反応を示す容貌だった。しかし、彼女らのアクの強い顔は、人々の記憶につよく刻まれ、色あせることはない。

実は吹石一恵にも、現在の清純派女優ではなく、彼女らに連なる、悪女タイプの女優の可能性があるのではないか。

そして、それこそが彼女の魅力の正体なのではないか。

わたしはそう考えている。

それにしても、吹石一恵の実体について語るべく、慎重にグラビアというジャンルを選んだはずが、気がつけば『 悪女 』などどいう観念の世界へ迷い込んでしまっている。

やはり吹石一恵について語ることは、筆を持つ者にとっての鬼門であるようだ。

|

« 声優語り14・銀魂声優陣 | トップページ | 目線 »

◇ひげ」カテゴリの記事

●コラム」カテゴリの記事

『アイドル愚考録 』」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/446045/10260521

この記事へのトラックバック一覧です: 鬼門 ( アイドル愚考録 ):

« 声優語り14・銀魂声優陣 | トップページ | 目線 »