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2008年7月 8日 (火)

香り

○ 田舎の家・居間

   急に明かりが消える。

   ハッとする浩太(7)と優(5)。

   部屋には二人だけであり、窓外は酷い嵐。

   襖が開き、優の母親がロウソクを持って

   きてテーブルの上に置く。

優の母親「優。お母さんたち、ちょっと畑み

 てくるからここで大人しくしてるのよ。浩

 ちゃん、優のことよろしくね」

   窓の鍵を閉め、カーテンを閉めてから退

   出する優の母親。そのとき、廊下をレイ

   ンコートを着込んで歩く大人たちの姿が

   見える。

大人の優の声「当時、私の実家は桃農園をや

 っており、夏に台風が来ると、桃を守るた

 め夜でも隣近所総出で農園へと向うことが

 しばしばあった」

   じっとしている浩太と優。

   玄関の戸を開け閉めする音がする。

   静まり返る室内。あるのは風の音と窓の

   揺れる音だけ。

浩太「なぁ、外見てみようか」

   浩太、立ち上がり窓へと歩いていく。

優「あっ(止めようとするが――)」

   窓を開ける浩太。

   強い風と雨粒が吹き込み、ロウソクの炎

   が消える。

浩太「優」

優「!」

浩太「来てみ。甘い匂いがする」

   優、恐る恐る浩太の隣へ。

   目を閉じ鼻で空気を吸い込んでいる浩太。

   優も真似して目を閉じ空気を吸い込む。

浩太「な?」

優「うん」

大人の優の声「それは今まで食べたどんな桃

 よりも甘く、清らかだった」

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