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2008年8月25日 (月)

石原あつ美と石原ブルー ( アイドル愚考録 )

ピカソの青(プロシア青)。

北野たけしの北野ブルー。

これに石原あつ美の石原ブルーを加え、『 世界三大ブルー 』とすべきではないか。

ヤングマガジン38号の石原あつ美のグラビアには、そう思わせるだけの魅力があった。

先ずは駆け足で総評から。

最初から最後まで、石原あつ美という素材を活かしきった、素晴らしいグラビアであった。

敢えてラフに乱した、くしゃっとした髪が自由奔放で楽しい。茂みからひょっこりと顔を出した、愛らしい小動物のようだ。

彼女のチャームポイントである大きくて澄んだ瞳は、顔の表情の濃淡を意図的に薄めてみせることで「笑っている目」「怒っている目」という感情の従属物に堕ちることなく、独立した一個の芸術品となっている。

ヤングサンデーの休止にともない、ヤングマガジンによせる我々の期待は大きなものとなっている。そんな中、オール水着カットという実にヤングマガジンらしい骨太のグラビア構成は、これからも変わらずグラビアの王道を突き進むという、彼らの声明文に他ならない。

グラビア界の行く末に不安を感じていた我々の不安を打ち消す、何と力強い主張だろうか。

ひとまずは安心して良さそうである。

それでは本題である石原ブルーに移るとしよう。

石原ブルーが確認できるのは全グラビアの内わずか数枚のカットである。その数は極めて少ないが、他のカットを圧倒する比類なき光を放ち、我々の目を惹きつける強い引力を備えている。

撮影場所は浴室である。ホテルなのか、すこし狭くて息の詰まるような緊迫した雰囲気がある。

そこに、彼女が立っている。

シャワーの雨に打たれながら、こちらをじっと見ている。濡れてボリュームのなくなった髪が、頬や首筋に張り付いて凄絶なエロスを醸成している。

そして、画面全体を支配する、淡く、透き通るようなブルー。

これが石原ブルーである。

その色はペルーとボリビアに跨る古代湖、チチカカ湖の色合いに近い。風一つない、完全に凪いだ状態のチチカカ湖を思い浮かべてもらいたい。あの青は確かに石原ブルーである。

その青が、現実とも幻ともつかない空間を作り出し、石原あつ美というグラビアアイドルから名前を奪い取り、まるで正体の知れない、極言すれば生きているのか死んでいるのかすら分からない、謎の女に変えてしまっているのだ。

こう書けば、すべては撮影スタッフの演出の力によるもの、と勘違いされそうだが、それは大きな間違いであると断じておく。

あのブルーにもっとも相応しいキャンパスは、石原あつ美の肌以外にありえないからだ。

色の白さで言えば、谷桃子も愛衣もよい色を持っているが、彼女らの白は底に温もりが透けて見えてしまう。石原あつ美のクリアーな白だけが、今回の求めに応じられる唯一の色なのである。

ここで種を明かしてしまえば、この色は浴室に張られたタイルの青である。それがシャワーの水と混じりあい、溶け合い、淡いブルーとなって画面を覆っているだけだ。言葉にしてしまえば大したことのない、奇術やペテンのたぐいとも言えよう。

しかし、もっとも簡単なトリックで大衆の目を欺くこと、それが奇術の最終到達点である。

寧ろ、これだけの手札で、石原ブルーという奇跡を成し遂げてみせた、スタッフおよび石原あつ美の卓抜したその手腕を賞賛すべきではないだろうか。

今回、私は彼らの偉業を讃えると同時に、これだけのスタッフを擁するヤングマガジン編集部の能力の高さを示すことで、私同様ヤングサンデー喪失のショックに揺れた人心を癒したいと考えた。

それが僅かなりとも叶ったのならば、これに優る喜びはないのだが。

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