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2008年9月

2008年9月30日 (火)

家庭菜園

○ マンション・ベランダ(夜)

   中年女性がタバコを吸っている。

   隣の部屋のベランダに少年が出てきて何

   かを食べている。

中年女性「なに食べてるの?」

   少年、中年女性の存在に気づく。

少年「プチトマト。ママがプランターで育て

 てるんだ。おばさんは何かやってないの?」

中年女性「やってるよ」

少年「実、なった?」

中年女性「ううん」

少年「ふーん。でも、そのうちなるよ」

中年女性「かもね」

少年「じゃあまたね」


   少年、手を振って部屋の中に入っていく。

中年女性「さて、洗い物でもするか」

   中年女性、吸殻を持った手をスッと足元

   にやってから、部屋の中へ入っていく。

   そこには沢山の吸殻の刺さったプランタ

   ーがあり、それが植物のように見える。

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2008年9月25日 (木)

アキレスの踵。南明奈の膝。

うさぎ、うさぎ、何見て跳ねる。十五夜お月様見て跳ねる。

中秋の名月も過ぎた(ちなみに今年は9月14日であった)というのに、何故にこんなお月見の歌? 

などと怪訝に思った方も多いであろう。が、もちろんこの歌詞を抜き出したのには訳が有る。

それは14日の夜、私が十五夜の名月を眺めつつ、ぼんやりとこの歌を口ずさんでいた時だった。何となく晴れやかな気持ちでいた私の頭の中に、唐突にあるイメージが浮かんできたのだ。

それは月で餅を搗いているうさぎではなく、南明奈その人であった。より詳しく述べるならば、南明奈の膝であった。

ところで、人は『 南明奈のグラビア 』と言われ、どんなイメージを頭に浮かべるだろうか。

砂浜を元気に駆け回る彼女だろうか?

顔をくしゃくしゃにして笑う、彼女の無邪気な笑い顔だろうか?

しかし、もし私と感性が似ている人であれば、今、彼女の足は地上にないはずだ。

私が思い浮かべる『 南明奈のグラビア 』とは、思い切りジャンプした彼女が、ふわりと宙に浮かんでいるところだからである。

南明奈に限らず、そのグラビアアイドルに元気というイメージを刻みたい時、カメラマンは彼女らを宙へ飛ばすことによってこれを解決しようとする。

では何故ジャンプすることが元気さに繋がるのか。

それは大人とはあまりジャンプしないものだからである。

人は成長すると稀にしか飛び上がることをしなくなる。例外はスポーツや高い処にある物を取ろうとする時ぐらいであろう。他にも予想外のことが起きた驚きで、うひゃあと飛び上がる場面を昔の漫画でよく見たが、それは漫画特有の過剰な演出であり、現実の世界で見られることはまずないので除外する。

つまり、何かのためにやむを得ずするわけではなく、単にジャンプする快楽のために跳ね上がる行為は、子供たちの専売特許なのである。

ここまでくれば後は容易である。子供=元気という図式は、誰でも違和感なく受け止められる真理だからだ。

休日、仕事の疲れを引き摺りながらも家族を連れて観光地に出かけた父親が、はしゃぎまわる我が子を眺めて「子供は元気だな」と呟くように、子供というものはその小さな身体にとうてい納まりきらないエネルギーを蓄えているのである。

そして、その元気な子供を模倣することで、彼女たちは自らに元気というイメージを付与しているのである。

今現在もっとも元気さを売りとする南明奈は、おそらく歴代のグラビアアイドルの中でもそのジャンプ回数はかなり上位であるはずで、私が跳ねているうさぎから、南明奈のグラビアを連想したのも無理のないことなのである。

それにしても心配なのは彼女の膝である。

はじまりがあれば終わりがある。

写真の中の彼女は永遠に宙に浮いていられるが、現実の彼女はそうではない。

跳んだ回数だけ、着地しなくてはならないのだ。

そして、その衝撃をもろに受けるのは膝である。

砂浜ならば砂がショックを和らげてくれるから大丈夫、と考えるのは早計である。砂浜というのはあれで案外起伏があるものなのだ。ランダムに出来た大小の斜面の上で、毎回きちんとした着地を決めるのは、実はかなり難しい芸当なのである。

身体に感じない程度の軟着陸を繰り返す内、その歪みはしだいに大きくなっていき、ある日、突然に激しい痛みとなって彼女の膝を襲うのではないか。

近頃ではそんな想像が頭から離れず、彼女のグラビアを以前ほど純粋に楽しめなくなってしまった。

膝を抱え、悲鳴をあげる彼女など決して見たくない。

願わくばグラビアの神よ、南明奈と南明奈の膝を守りたまえ。

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2008年9月23日 (火)

母と子

○ 道

   小学三年生陽平の後頭部。

陽平N「母さんは僕を妊娠したとわかったと

 き、ガッツポーズをしたらしい」


   ランドセルを背負って歩いていく陽平の

   後姿。

陽平N「僕はそれを聞くたびに嬉しくて仕方

 がない」


   歩いていく陽平をすれ違う人々が次々に

   振り返る。

陽平N「ときどき母さんは僕のことをぶった

 りするけれど、」


   陽平の顔には痣や生傷が。

陽平N「それはきっと何か理由があるんだと

 思う」


   陽平、何かを見つけ、走り出す。

陽平N「だって、母さんは僕のことをとって

 も愛しているんだから」


   陽平、歩いていた女性に「母さん」と言

   って背後から抱きつく。

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2008年9月16日 (火)

子ども扱いしないで

○ リビング

娘「子供扱いしないでよ」


   娘(17)、毅然とした態度で母にそう

   言うと同時に立ち上がり、部屋を出て行

   こうとする。

母「ちょっと」

娘「のど渇いたの」


   娘、隣室(キッチン)へ。

   冷蔵庫を開け閉めする音がする。


○ キッチン

   娘、グラスに少量のカキ氷用苺シロップ

   を入れ、それを炭酸水で割っている。

   母、いつの間にかドアのところにいる。

母(クスッ、子供じゃない)

   娘、飲もうして母の視線に気づく。

娘「うるさいな」

   娘、腰に手を当てて一気に飲み干す。

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2008年9月14日 (日)

NO.1(改訂版)『速水奨』

私は声フェチである。

故に好きな声優をあげると、両手両足の指でも足りないほどだ。

しかし、自信を持って「大好きだ」と言える方は三人だけだ。

今回はその中の一人、『速水奨』氏について語ってみよう。

彼の声こそ、正に美声と言うに相応しい。

昔ラジオで「尾骶骨に響く声」と評されたが、

正しくその通りだろう。

かのお方の腐女子的代表作と言えば、

絶愛の南条晃司、炎の蜃気楼の直江信綱、闇の末裔の邑輝一貴等。

アニメイトでは南条と直江が代表作として書かれていて

「何もその二つを書かなくても」思ったものだ。

そして、「叫び声は変形しそう」と言われるほどにロボット系も演じている。

基本、『美形かロボット』な方なのだ。

が、近年新境地が開拓された。

『バーコード禿げ』なキャラクター、

銀魂の神楽パピィーだ。

これはかつての、南国少年パプワくんのマジック総帥や無責任艦長タイラーのヤマモト以上の衝撃だった。

私は、次回予告で神楽パピィーのナレーションが入ったとき「声にならない悲鳴」をあげたのだった。

そしてブリーチの藍染惣右介がある。

良く二時間サスペンスでは「俳優で犯人を見分ける」という事が出来るが、

アニメにおいても「声優で重要キャラを見分ける」といった事が可能だ。

この方が演じた藍染が良い例なのだ。

ある人曰わく、「眼鏡で糸目で一人称が僕で声が速水奨」

ここまで揃っていてイイ者な訳がないそうだ。

そう、藍染が悪役だということにいち早く気付いたのは、

アニメが始まる前にジャンプアニメツアーでの声に違和感を抱いた人間だろう。

ちなみに私は無理でした。

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2008年9月13日 (土)

石井香織と時計の針 ( アイドル愚考録 )

「時計の針を戻すことはできないが、前に進めることはできる」

そんな台詞を何かの小説で読んだことがある。

時間は不可逆である。過去に遡ることは神の御業であり、人の力ではかなわない。しかし、現在ある流れに介入し、その流れを人為的に早くすることは可能である。

確かそんな意味であり、その台詞を吐いた人物は人類の破滅を必然とし、その来るべき終焉を早める為あらゆる方策を尽くしていた。

そんなことを、ヤングアニマル嵐10月号で思い出した。

こう書けば、表紙と巻頭グラビアの、しほの諒のことかと勘ぐる人もいるかもしれないが、そうではない。

問題は巻中グラビアの石井香織である。

彼女はサンケイスポーツが作り出した新人アイドルユニット、ゆめ☆たまごの一員であり、知名度はモーニング娘。に負けるが同じぐらい出入りが激しい同ユニットにおける、唯一の初期メンバーである。

(現在はユニット自体が活動を休止しているが……)

10代とは思えぬ妖艶な色気で、じわじわとグラビアでの影響力を伸ばしている期待の新人だ。

今回のグラビアでも、そのねっとりとした熱い視線と厚い唇で、背筋のぞくりとするようなグラビアを披露している。

そんな中、とくによかったのが白地に赤い金魚の模様という、少し子供っぽい浴衣を下に敷き、その上に水着姿の彼女が横たわっているカットだ。

ごちゃごちゃとしたキッチュな浴衣をアイテムに使うことで、実年齢に近い、彼女のグラビアにしては珍しいぐらいの可愛さを演出できている。

それでいて、その上に転がる彼女はあられもない水着姿であるというのもいい。

結果、いろいろとこちらの妄想を駆り立てる、懐の深い一枚に仕上がっていた。

ところで、私はこのカットを見た時、ある暗澹とした想いに囚われた。

それは、今回のグラビアを見た先達たちはどう思ったのだろう、というものだ。

自分よりも年下の少女が、大人っぽい色気から少女本来の爽やかな色気まで演じわけているのである。

足元が揺らぐようで、心中穏やかではいられなかったのではないか。

自らを追い落とそうとする、新しい力がすぐそこまで迫っている。首にかかった死神の手を感じ、恐怖に顔を引きつらせたのではないか。

しかも、ここにある可愛さと色気のコンビネーションは、もう自分たちがどんなに望んでも得られない少女期特有のものなのである。

彼女たちの恐怖と苛立ちは如何ばかりか。

魔法の鏡に問いかけた女王は、白雪姫を知った時、どれほどの絶望を感じたか。

『 道を開けろ。お前の時間は終わった 』

今回の石井香織の巻中グラビアには、そんなメッセージが篭められているような気がしてならなかった。

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2008年9月 9日 (火)

昼下がり

○ 昼下がりの喫茶店

少女「父と?」


   制服姿の少女(13)が女(28)に問

   い返した。

   女はなかなかの美人。

女「そう。もう一年になるわ」

少女「そうですか」

女「本気なの」

少女(ちょっと考え事)


   寝転んでオナラをしている父親の映像を

   インサート。

少女「あんなののどこがいいんですか」

女「えっ?」

少女「惚れる要素が見当たらないんですけど」

女「近すぎると逆に見えないものよ」

少女「(ため息混じりに)馬鹿みたい」


   少女、立ち上がり、

少女「結婚したら近くに居ざるをえないじゃ

 ない」


   と言って千円札をテーブルに置き立ち去

   る。

   女、少女の勢いに負け、何も言えず。

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2008年9月 2日 (火)

信頼関係

○ 中学校の教室(夕方)

教師「息子さんが盗ったと?」

   生徒たちが帰ってしまった教室で教師が

   生徒の父親に問い返した。

父親「一週間ほど前、息子の部屋で真新しい

 デジカメを見たんです。そのときは別段気

 にも留めなかったのですが、数日して同じ

 クラスの子で、全く同じものを無くした子

 がいると知って……」

教師「しかし、それだけでは」

父親「全く同じ機種なんですよ。それにあい

 つ、あんな高いものが買えるほどの金は持

 っていなかったはずなんです」

教師「ですが――」

父親「前にもあったんです。小学生のとき、

 同じクラスの子の持っていた筆箱を盗って。

 そういう子なんです」

教師「以前そうだったからといって、今回も

 そうとは限らないでしょう」

父親「ですから先生、それとなく息子に聞い

 てみていただけないでしょうか」

教師「いや、それは――」

父親「そこをなんとか」

教師「お気持ちはわかります。ただ、そうい

 うことを聞きますと、僕と彼との関係にも

 問題が……」

父親「いいじゃないですか」

教師「!?」

父親「先生は息子と付き合うの、長くても三

 年でしょ? 僕ら親は一生付き合っていか

 なきゃならないんですから、こんなところ

 で信頼関係崩したくないんですよ。ねっ?

 お願いしますよ、先生」

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