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2008年9月13日 (土)

石井香織と時計の針 ( アイドル愚考録 )

「時計の針を戻すことはできないが、前に進めることはできる」

そんな台詞を何かの小説で読んだことがある。

時間は不可逆である。過去に遡ることは神の御業であり、人の力ではかなわない。しかし、現在ある流れに介入し、その流れを人為的に早くすることは可能である。

確かそんな意味であり、その台詞を吐いた人物は人類の破滅を必然とし、その来るべき終焉を早める為あらゆる方策を尽くしていた。

そんなことを、ヤングアニマル嵐10月号で思い出した。

こう書けば、表紙と巻頭グラビアの、しほの諒のことかと勘ぐる人もいるかもしれないが、そうではない。

問題は巻中グラビアの石井香織である。

彼女はサンケイスポーツが作り出した新人アイドルユニット、ゆめ☆たまごの一員であり、知名度はモーニング娘。に負けるが同じぐらい出入りが激しい同ユニットにおける、唯一の初期メンバーである。

(現在はユニット自体が活動を休止しているが……)

10代とは思えぬ妖艶な色気で、じわじわとグラビアでの影響力を伸ばしている期待の新人だ。

今回のグラビアでも、そのねっとりとした熱い視線と厚い唇で、背筋のぞくりとするようなグラビアを披露している。

そんな中、とくによかったのが白地に赤い金魚の模様という、少し子供っぽい浴衣を下に敷き、その上に水着姿の彼女が横たわっているカットだ。

ごちゃごちゃとしたキッチュな浴衣をアイテムに使うことで、実年齢に近い、彼女のグラビアにしては珍しいぐらいの可愛さを演出できている。

それでいて、その上に転がる彼女はあられもない水着姿であるというのもいい。

結果、いろいろとこちらの妄想を駆り立てる、懐の深い一枚に仕上がっていた。

ところで、私はこのカットを見た時、ある暗澹とした想いに囚われた。

それは、今回のグラビアを見た先達たちはどう思ったのだろう、というものだ。

自分よりも年下の少女が、大人っぽい色気から少女本来の爽やかな色気まで演じわけているのである。

足元が揺らぐようで、心中穏やかではいられなかったのではないか。

自らを追い落とそうとする、新しい力がすぐそこまで迫っている。首にかかった死神の手を感じ、恐怖に顔を引きつらせたのではないか。

しかも、ここにある可愛さと色気のコンビネーションは、もう自分たちがどんなに望んでも得られない少女期特有のものなのである。

彼女たちの恐怖と苛立ちは如何ばかりか。

魔法の鏡に問いかけた女王は、白雪姫を知った時、どれほどの絶望を感じたか。

『 道を開けろ。お前の時間は終わった 』

今回の石井香織の巻中グラビアには、そんなメッセージが篭められているような気がしてならなかった。

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