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2008年11月12日 (水)

藤井美菜とマガジンの小さな過ち ( アイドル愚考録 )

今回のコラムは、週刊少年マガジン49号の巻頭グラビア、藤井美菜を取り上げたい。

タイトルに「小さな過ち」と書いたが、勘違いされないよう予め言っておけば、このミスとはあくまでマガジン側のミスである。藤井美菜には何の責任もない。そのことを強調しておく。

ここで藤井美菜をご存じない方のために少し紙面を割く。

藤井美菜は今後の活躍が期待される若手女優であり、慶應義塾大学に通う現役大学生でもある。スマッシュヒットとなった映画『 シムソンズ 』で銀幕デビューを果たし、最近ではTBSの連続ドラマ『 BLOODY MONDAY 』の朝田あおい役を熱演している。

( これは余談だが、原作において朝田あおいの存在はかすんでいく一方であり、ドラマ版ではこの事態に対し、きちんとした救済措置が取られているのか心配でならない )

藤井美菜の魅力はその存在感にある。

圧倒的な華がある。というのではなく、何と言うか優しい空気感のようなものがあるのだ。

穏やかな春の陽射し。それも午後ではなく、午前中の極めて柔らかい光線である。

私は彼女を久々に出てきた癒し系の系譜として捉えている。

最近の人気アイドルたちは総じて元気が良く、自己主張の激しいアクティブなタイプが多かったと思われる。長く続く経済不況により、世に暗雲のように広がった憂鬱を忘れるためには、彼女らのような陽性のカンフル剤が必要とされたのであろう。よって長らく癒し系の出現はなかった。

( 長澤まさみをどの系譜に置くかは意見の分かれるところだが、私は彼女を癒し系として捉えることに躊躇いを感じる。長澤まさみについては、一度きちんとした考察が必要だろう )

しかし、どれほど美味な御馳走であっても何度も続けば飽きがくるもの。世間もパンチの効いた濃い味に食傷気味で、舌に優しい家庭の味わいが欲しくなる頃合だったのだろう。

ここに来て藤井美菜がじわじわと人気をのばしてきたのは、そういった事情があるからなのだ。

マガジン編集部でも勿論それは意識していて、今回のグラビアはいつもより大人しいかわりに、情感たっぷりの秋めいたグラビアに仕上げていた。水着のカットは一枚もなしである。

特に太陽の陽射しで彼女の頬にけぶる産毛を金色に輝かせたカットなどは特筆に価する。彼女のチャームポイントのひとつである、『 自然体 』を強く打ち出した、すばらしい演出であった。

それだけに惜しい。惜しすぎる。

マガジンは何故、彼女のことを「美少女」と呼んでしまったのか。

彼女は20歳である。それを少女と呼ぶのはまずかろう。

少年マガジンの中心層は、いかに漫画を読む層が広がっているとはいえ、やはり10代であろう。

10代の少年たちにとって彼女は少女ではなく、年上のお姉さんとなるはずだ。

そこをきちんと抑え、少年たちの憧れの存在として彼女を撮っていれば、もっといいグラビアになっていたと思われる。

( 個人的には彼女を図書館の中で見て見たい。司書役でもいいし、熱心にページをめくっている姿でも構わない。もし彼女が読んでいるのが、ハイデガーなどの哲学書だったりすると尚いい。憧れのお姉さんは、少年たちの手に届かない高尚な本を読んでいるべきなのだ )

少年マガジンはぜひとも近いうちに彼女を再登場させ、少年たちのマドンナとしての藤井美菜を撮影して欲しいものである。

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