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2009年7月

2009年7月28日 (火)

いらないもの

○ 大手部品工場

   殴られ倒れる若い東南アジア系男性工員。

   当たったデスクから工具が散らばる。

   中年男性工員、唾を吐きかける。

   怯えて体を縮こめる若い男性工員。

中年男性工員「ったく、手足だけ必要なのに

 頭なんかついてきやがるから」


   若い男性工員の手がスパナに触れる。

   中年男性工員、踵を返す。

   若い男性工員、立ち上がり中年男性工員

   に向かってスパナを振り上げる。


○ 手術室前の廊下

   大声を上げて泣き崩れる中年女性。

   手術着姿の医者を前に号泣する中年女性

   を老女が慰める。

中年男の声「これから説得に入ります」

   長い廊下の角を曲がったところ、スーツ

   姿の中年男性が携帯電話を掛けながら手

   術室前の様子を一瞥。

中年男性「いつもながら困ったもんですよ、

 臓器だけ欲しいのに頭がついてくるんだか

 ら」


   慌てて携帯電話を隠す。

   傍を通っていく若い女性看護士に調子の

   いい笑顔を振りまく。

   間遠に中年女性の泣き声がする。

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2009年7月21日 (火)

メリーゴーランド

○ 遊園地

   お化け屋敷から出てくる若い父親と幼い

   娘。娘は笑っている。

父親「だから嫌だって言ったんだよ」

娘「パパ、ワッ!ワッ!ってびっくりしてた

 ね!」


   父親、疲れた様子でベンチに腰を下ろす。

   娘、大きなメリーゴーランドを指差し、

娘「今度、あれ!」

父親「パパはここで待っているから」


   娘、係員に白馬に乗せてもらう。

   動き出すメリーゴーランド。

   はしゃいで手を振る娘。

   ペットボトルの水を一口含み手を振り返

   す父親。

   娘の乗る白馬が父親の死角を回る。

   父親を見失ったと思い、娘の顔からサッ

   と笑顔が消える。

   不安げな面持ちで首を左右に振る。

   きらびやかな装飾と陽気な音楽。

   なおも不安に駆られ首を振る。

   金色の装飾が光って目が眩む。

   突然の大きな泣き声に驚いて飲んでいた

   水を吐き出す父親。

   号泣する娘を係員があやしている。

父親「どうした?」

   娘、父親にしっかりと抱きつき、なおも

   泣き続ける。

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2009年7月14日 (火)

ある夏の朝

○ 寝ている会社員A(35)(早朝)

   ーーが起き、周囲を見回す。

   人気のない郊外の駅のホーム。


○ とある分譲住宅・玄関付近

   会社員A、中の様子を窺いながら慎重な

   足取りで門の中へと入っていく。

   チャイムを押そうとするが止め、庭の方

   へと歩を進める。


○ 同・庭

   会社員Aが来る。

   庭の片隅で少年(7)が綺麗に咲いた鉢

   植えの朝顔を前に観察日記をつけている。

   少年、会社員Aに気づく。

会社員A「よお」

   少年、じっと会社員Aを見詰める。

少年「今日、土曜だよ」

会社員A「へっ?」

少年「会社休みじゃないの?」


   会社員A、着ているスーツを確認し、

会社員A「あー、間違えちゃった。ハハハッ。

 綺麗だな、朝顔」

少年「毎晩遅いのに休みの日は早起きするん

 だね、パパ」


   少年、笑う。

   会社員A、同調してわざとらしく笑う。

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2009年7月 7日 (火)

年金

○ 町工場「岡島製作所」前

   赤錆の浮き出たシャッターに「ご愛顧、

   ありがとうございました」の張り紙。


○ 近所の道

   近所の主婦が歩いてくる。

近所の主婦「あら、岡島のおじいちゃん」

   老人と老婆が腕を組んで歩いてくる。

近所の主婦「お揃いでお出かけ?」

老人「ちょっと信用金庫まで、年金をね」

近所の主婦「そう。お気をつけて」


   軽くお辞儀をして歩いていく二人。


○ 信用金庫

   入り口前に立つ老人と老婆。

   老婆がバッグから2つの目だし帽を出し、

   二人ともそれを被る。

   老人が懐からピストルを出す。

   老婆が老人の手を握ると老人も握り返す。

   ゆっくりと店内へと入っていく。

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