« 2009年10月 | トップページ | 2009年12月 »

2009年11月

2009年11月24日 (火)

思考の飛躍

○ リビング(夜)

   新聞を読んでいる父親(40)。

   ドアが開き、パジャマ姿の娘(14)が

   顔を出す。

娘「お父さーん、ハンドクリーム持ってる?」

   新聞に目を向けたまま、さして気にも留

   めぬ様子で、

父親「寝室のベッドのところ見てみろ」

娘「ラッキー。借りるね」


   ドアを閉める。


○ 道

   歩いていたスーツ姿の父親、ふと何かに

   目を留め、アッとなる。

   少し先を制服姿の娘が同級生と思しき男

   子と手をつないで歩いている。

   つないだ手のアップ。

   ショックで呆然と見送るだけの父親。


○ リビング(夜)

   ドアが開き、パジャマ姿の娘が顔を出す。

娘「お父さーん、リップクリーム持ってーー」

   父親、聞くなり、読んでいた新聞をテー

   ブルに叩きつけるようにして、

父親「まだ早い!」

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年11月17日 (火)

交差

○ シネコン・ロビー

   売店で若い男が注文する。

若い男「コーラください」

   隣で商品を待っていた若い女が若い男に

   気づく。

若い女「あっ」

若い男「あっ」

若い女「元気?」

若い男「(少し動揺)うん。どうしたの? 今

 日は」

若い女「どうしたのって(笑う)」

若い男「そうか。映画に決まってるか」


   合わせて笑う若い男。嬉しそう。

   店員からオレンジジュースを受け取る若

   い女。

若い女「どうも」

若い男「オレンジジュース好きだったっけ?」

若い女「好みが変わったみたい。(恥ずかしそ

 うに)妊娠してるの」

若い男「(大げさに喜んで)ホント! 良かっ

 た、やったじゃん。おめでとう」

若い女「ありがとう。じゃあね」


   笑顔で去っていく若い女。

   ふっと真顔に戻り、彼女の姿を見送る若い男。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年11月10日 (火)

失くし物

○ マンションの一室

   まるで家捜しでもされた後のように物が

   散乱している室内。

   礼服姿の男女が探し物をしている。両者

   とも焦っている様子。

男「ずっとしとけばいいだろ」

女「虫唾が走る」

男「思い出のひとつやふたつあるだろ」

女「女はね、一度見限ったが最後、次の瞬間

 からゴミ扱いできんのよ」

男「お前、いくらなんでも(言い過ぎ)――」

女「あっ!」


   思い出したように花瓶の中に手を突っ込

   むとそこから一通の封筒を取り出す。

   振ると音がする。

   逆さにすると何かの紙と指輪が出てくる。

女「(指輪を摘んで)あった!」

   男、紙を拾って開く。

男「仲人やってる場合じゃないよな」

   署名捺印の済んだ離婚届。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2009年11月 3日 (火)

紅葉の見え方

○ 紅葉の山

   車から中年の夫婦が降りてくる。

妻「見てよ。すっかり色づいて」

   子供のようにはしゃいて走り出す妻。

夫「おい、おい、歳を考えろよ」

   見渡す限りの紅葉に目を奪われ、ただただ言葉もなく見渡す夫。

妻「いつも仕事、仕事で忙しないんですもの。た

 まにはリフレッシュしなくちゃ」


   紅く色づいた楓の葉を拾い上げる夫。

夫「あっ」

妻「ん?」


   楓の葉を指先で弄びながら、

夫「俺も仕事人間だな(と苦笑)」

妻「?」


   楓の葉を顔の前に掲げてみせる夫。

   赤ん坊の泣き声。

   楓の葉。(O・L)


○ もみじのような赤ん坊の手

   泣きじゃくる赤ん坊を笑顔であやしてい

   る小児科医の夫。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2009年10月 | トップページ | 2009年12月 »