◇楽十

2007年11月 2日 (金)

松茸山3

直樹の家 台所

   直樹の恋人の玲子(24)が台所に立っ

   て料理をしている。

   料理しているのは直樹が取ってきた松

   茸である。

玲子「(料理をしながら)ねぇ、こんなに取れるなら、今度みんな連れて松茸狩りしようよ」

 

○ 同 居間

   直樹がTVを見ている。

直樹「ダメだ。松茸が取れる場所は秘密だ」

   玲子が料理を持って居間に入ってくる。

玲子「(料理をテーブルに置きながら)えー、いいじゃん。楽しいよ、きっと…」

直樹「(玲子を抱き寄せながら)お前だけならいいけどな。他の奴らに知られるのはダメだ」

   玲子、直樹にもたれかかる。

玲子「ん…、もう…」

   テーブルの上の皿には、松茸をただ焼

   いただけのものが並んでいる。

玲子「さぁ、食べよ…」

   直樹と玲子、松茸を食べ始める。

直樹「(松茸を食べて)うん、うまい!」

   直樹が食べるのを見て玲子を松茸を口

   に運び、微笑む。

 

○ 同 寝室(真夜中)

   直樹と玲子の二人がダブルベッドで寝て

   いる。

   直樹は寝入っているが、玲子は汗をかい

   て、何かうなされている。

玲子「はぁ……、はぁ……」

   玲子、不意に起き上がり、びくんと痙攣を

   繰り返す。

直樹「(目が覚めて)…玲子……?」

   直樹、玲子の肩をつかみ揺さぶるが玲子

   はただ痙攣を繰り返すだけ。

   やがて玲子の皮膚が裂け、中からヌメッと

   した茶色の皮膚が現れる。

   直樹、玲子の変化に驚き、ベッドから転げ

   落ちる。

直樹「ひぃぃぃ…」

   直樹、躓きながら寝室から逃げていく。

   玲子、痙攣しながら異形のものに変化して

   いく。

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年10月26日 (金)

松茸山2

○山林 松林

   T「一年後」

   直樹が山に入ってくる。

直樹「(斜面を見ながら)……さて、どこにあるんだ。松茸は…?」

   直樹、しばらく松林の中を探し回るが、

   松茸は全く見つからない。

直樹「(汗をぬぐいながら)……ちくしょう、松茸の探し方を聞いてから殺すんだった」

   直樹、その場に座り込みタバコを取り

   出し一服する。

直樹「玲子に松茸、死ぬほど食わしてやるって言っちまったしなぁ…」

   しばらくして直樹、タバコを捨てて立ち

   上がる。

   また斜面を見ながら探し出す直樹。

直樹「(松林のはずれのほうを見て)……おっ……」

   直樹の視線の先には、たくさんの松茸

   が生えている。

   松茸の群生といっていいほどの多さの

   松茸だ。

   松茸のそばに走り寄る直樹。

直樹「(手をすり合わせながら)よしよし……」

   直樹、松茸を取り始める。

   夢中になって松茸を取る直樹。

   その松茸たちは、松からは生えておら

   ず、群生の形は人型であった…。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年10月19日 (金)

松茸山

○山林・松林 (早朝)

   朝もやの中、庄田忠生(63)が松林に

   入ってくる。

   松林を見つめる忠生。

忠生「(にやりと笑う)…あるな…」

   地面から少しだけ顔を出しているキノ

   コ、松茸である。

   松茸を取り始める忠生。

   ×     ×     ×

   石に腰かけタバコを吸いながら一服し

   ている忠生。

   腰に下げた籠にはいっぱいの松茸。

忠生さて、帰るか。昼飯は松茸づくしだな…」

   タバコの吸殻を携帯灰皿に捨てて、立

   ち上がる忠生。

   忠生が振り返ると、黒いコート姿の杉田

   直樹(30)が立っている。

直樹「(周りを見回しながら)ここが松茸林なんだな?」

   不意に現れた直樹に驚く忠生。

忠生「直樹!、どうやってここに!?」

直樹なに、後をつけさせてもらっただけだよ。なるほど、叔父さんが山を売りたがらないわけだ。どうだい、もう一億上乗せするよ。四億でこの山を売ってくれないか?」

忠生「(直樹につかみかかりながら)昨日も言ったろう。この山だけは絶対売らんと!。さっさと帰れ!。この場所は絶対人には言うなよ?。言ったらお前を殺すぞ!」

   直樹の腕を取り、一緒に帰ろうとする忠生。

直樹「誰にも言うなということは、ここは誰も知らないんだな?」

忠生「ああ、先祖代々庄田家に伝わる場所だからな。さあ、わかったら行くぞ」

直樹「…ということは、今日ここに来たことも誰も知らないんだな?」

忠生「ああ、そういうことになるな。だからどうした?」

直樹「そうか…」

   腕を引っ張る忠生を振りほどき、忠生の前

   に立ちふさがる直樹。

   忠生、直樹の言動に不穏なものを感じてた

   じろぐ。

   直樹、ナイフを取り出し、忠生に襲い掛かる。

   忠生の腹にナイフが突き刺さる。

忠生「な…おき…、おまえ…」

   忠生、崩れ落ちる。

直樹「(忠生に)…大丈夫、この山は俺が有効利用してやるよ。心配しないで逝きな…」

   直樹、忠生の死体を松茸林のほうに引

   きずっていく。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年10月13日 (土)

占い

○アパートの一室(朝)

   OLの麻美(24)があわただしく出勤の

   準備をしている。

   部屋にあるTVはついており、ニュー

   スが流れている。

女性アナウンサー「では、今日の占いです…」

麻美「(慌ててTVの前に来て)……さて、今日の運勢は……」

   麻美、出勤準備を一時中断してTVに

   見る。

女性アナウンサー「今日のおひつじ座さんは幸福度30%……」

   次々に占いを発表していく女性アナウ

   ンサー。

女性アナウンサー「今日のてんびん座さんは……」

麻美「やっとてんびん座ね……」

   麻美、じっとTVに見入る。

女性アナウンサー「幸運度50%、得体の知れない人には気をつけましょう。続いて今日の山羊座さんは……」

麻美「……は…?。得体の知れない人…?」

   きょとんとした顔をしている麻美。

   ふっと時計を見る麻美。

   時計の針は八時を過ぎている。

麻美あっ、遅刻遅刻……」

   麻美、慌てて身支度を始める。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年10月 5日 (金)

怪談?

○アパートの一室 (夜)

愛N「間違いは何にでもありますが…」

   OLの田中愛(26)が帰ってくる。

「ただいまぁ…」

愛N「こんな間違いは勘弁して欲しいです」

   化粧を落とし、部屋着に着替える愛。

「(伸びをしながら)……あーっ、今日も疲

れた…」

   ベットに潜り込む愛。

「今日はもう寝る」

   電気を消し、眠る愛。

   ×     ×     ×

   ふと目が覚める愛。

   起きようとするが動けない。

愛N「生まれて初めての金縛りでした」

   必死に体を動かそうとする愛。

   しかし体は自由にならない。

   不意に、ガチャとドアの開く音がする。

愛N「鍵はかけたはずでした」

   愛、目だけを動かしてドアのほうを見

   る。

「!……」

   ドアの前に、うつむいた長髪の女性の

   幽霊が立っている。

   うつむいているため、顔は見えない。

愛N「知らない人でした」

   女性は立ったまま、すべるように愛の

   ベットの脇に来る。

   愛、ただ震えて女性を見てるだけ。

愛N「私は、必死に帰ってくれと心で言って

いました」

   愛、耐え切れなくなって何とか目を女

   性からそらす。

   次の瞬間、女性が愛に馬乗りになる

「!……」

女性「(しゃがれた声で)コロ…シ……テ……

ヤル…」

   女性の手が愛の首にかかる。

愛N「ものすごい力でした」

   愛、必死に抵抗しようとするができない。

愛N「もうダメかと思ったとき…」

   女性の髪が動いて、顔が見える。

   生気の無い真っ白な顔。

   目が合う二人。

女性「あ……」

   女性の力が抜ける。

女性「(普通の声で)……間違えた……」

   不意に消える女性。

   跳ね起き咳き込む愛。

愛N「あれから、あの女性は二度と現れてま

せん」

   普通に生活している愛。

愛N「ほんと、勘弁してほしいです」

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年9月28日 (金)

言い間違い2

○清水商事営業部(朝)

   朝から忙しく働いている社員たち。

   飯田直樹(39)も仕事に追われている。

   パソコンがうまく操作できないのか、

   時々『くそっ!』と言いながら、頭をか

   きむしっている。

   不意に電話が鳴る。

   飯田、電話を見ずに、受話器をとる。

飯田「(仕事をしながら)……はい、電話です」

電話の相手「え……」

飯田「(慌てて)いえ、清水商事、営業の飯田

です。すみません!」

   立ち上がって、電話の相手に頭を下げ

   て謝る飯田。

   周りの社員は「何事か?」という顔をし

   て、飯田を見る。

   しかし、謝っている飯田を見て、少し笑

   いながら仕事に戻っていく。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年9月21日 (金)

言い間違い

○某会社 総務課(夜)

   年度末のため忙しく、残業している社員

   たち。

   星川絵里(25)も忙しく働いている。

   課長の鈴木重信(39)ももくもくと作業中

   である。

   そんな中、絵里重信の机に近づく。

絵里「(書類を見ながら)店長、この書類

ですが……」

   重信絵里の声が聞こえてないのか、

   返事をしない。

絵里「(重信の返事が無いので、むっとし

て)……店長?」

   しかし、書類のチェックに夢中の重信

   は気づかない。

絵里「(大声で)店長!、この書類ですが……!」

   絵里の大声に驚いて顔を上げる重信

   周りの社員も驚いた表情で二人を見て

   いる。

重信「(困った顔をしながら)店長じゃなくて

課長ならこの僕だがどうしたの?」

   絵里、言い間違いに気づき、顔を真っ

   赤にしながら

絵里「この書類なのですが……」

   と、相談を始める。

   そんな二人を見て、周りの社員たちは

   くすくす笑いながら仕事に戻っていく。

   しかし、質問を終え、自分の席に戻っ

   た絵里の顔色は真っ青だった。

 

○某会社 総務課(朝)

   社員たちが出社し、朝礼が始まるが

   その中に絵里の姿は無い。

重信「あれ、星川くんは?」

女子社員「何も聞いてませんが……」

重信「寝坊かな……まあ、いい。そのうち

来るだろう……」

  仕事を始める重信たち。

 

○某公園

   犬の散歩や、ジョギングをしている人

   たち。

   不意に一匹の犬が茂みの中に入って

   いく。

飼い主「おいおい、どうしたんだ、シロ」

   犬に続いて茂みの中に入っていく飼い

   主。

飼い主「!……」

   茂みの中から、人間の足が出ている。

   飼い主が足を引っ張ると、茂みの中か

   ら出てきたのは死んでいる星川絵里

   だった。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年9月14日 (金)

お弁当

○某高校 教室 昼休み

  授業が終わり、弁当を広げる生徒たち。

  伸吾もかばんのチャックを開け、弁当を出そうとする。

  しかし、かばんの中には弁当は無い。

伸吾「今日、母ちゃん寝坊して弁当無かったな…。しゃあない学食行くか…」

  伸吾、教室を出て行く。

○某高校 昇降口 放課後

  チャイムが鳴り、帰り支度をした生徒たちが靴を履き替

  え、下校していく。

  友人と話しながら、下駄箱のふたを開ける伸吾

伸吾「……!」

  固まっている伸吾

友人「どうした、ラブレターでも入ってるのか?」

  下駄箱を覗きこむ友人。

友人「あらら…」

  下駄箱の靴の上に載っているのは手紙ではなく、包みに

  包まれた弁当箱。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年9月 7日 (金)

Aさんのこと

 私の知り合いにAさんという人がいるのです。彼は小柄な方で、身長は150cmほどなのです。

 ある日、彼が会社にやってくるなり、「まいったよ!、ほら、これ!」。そう言って、下のほうを指差すのです。Aさんの指差すほうを見てみると、なんと!、AさんのYシャツにくっきりと口紅が付いているのです。その場所は、おへそよりちょっと下のあたり!。やばいです!。なにやら危険なかおりがします!。朝っぱらから不謹慎な!。

 Aさんが言うには、彼が電車に乗っていたとき、彼の前に座っていた女性(Aさんは立っていたそうです)が、あまりの揺れに女性が飛び出してAさんの下腹に顔が当たってしまったと…。

 つまり、事故だというのです。……本当でしょうか?。ちょっと怪しいものです。その日、一日中Aさんは、このネタでいじられていました。

そんなAさんを見ながら、私はいつかAさんを使って一本話を作りたいなぁと思うのです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

探し物

◯片桐家 寝室

  いたるところに服やシーツなどが散乱している。

  ベッドのまわり、

  下などを何か探している京子(40)。

 
京子
「(立ち上がりながら)無いわねぇ…」

 
  ずれたメガネをなおす京子。

  京子、ハンドバッグをひっくり返し、

  中身をベッドの上にぶちまける。

  ベッドの上には財布や免許証、

  ハンドタオルなどが散乱する。

 
京子
「ここ?」

 
  バッグの中身を捜索するが

  目的のものは見つからない。

 
京子
「もしかしたらあそこかも…」

 
  京子、寝室を出て行く。

 

◯片桐家 洗面所

  洗面台を中心に探している京子。

 
京子
「(探しながら)あれがないと

 運転できないのよねぇ…」

 
  またずれたメガネをなおす京子。

  その後も、台所など家のいたるところを

  探し回る京子。

 

◯片桐家 居間

京子
「(ソファーに座り込みながら)おっかしいわねぇ、

 どこにいったのかしら…」

 
  天井を見上げて目を閉じる京子。

 
京子
「………」

 
  そのまましばらく動かない。

  玄関のドアが開く音がする。

  娘の理恵(15)が帰ってくる。

 
理恵「(居間に入って)ただいま、あれっ、

 お母さん、出かけるんじゃなかったの?」

京子「(理恵のほうを見ながら)おかえり…、

 そのつもりだったんだけど、

 あれが見つからなくて…」

理恵「あれって?」

京子「(真剣な表情で)ねぇ、

 お母さんのメガネ知らない?」

理恵「え…(絶句)」

| | コメント (0) | トラックバック (0)