●素案

2007年11月11日 (日)

チェザーレ

会社員、野村の特技は「寝ること」。

何時でも、何処でも眠れてしまう。というか、起きてから寝るまでずっと眠い。

仕事中に転寝などはしょっちゅう。移動中の電車でも、車の運転中でも、何時でも眠ってしまう。

だが、彼が眠っても仕事はいつの間にか片付いているし、車も事故を起こしたことはない。

いわゆる「小人さんが寝ている間にやってくれた」という奴だ。

むしろ、彼は眠っている間の方が優秀な人間だった。

ある日彼が寝ているとき、覚醒と睡眠の狭間でついに小人さんを発見する。

小人さんは彼が寝ている間に体を動かして善行を行い、陰徳を積んでいるという。

そして、徳が高くなった小人さんは神様になれると小人さんは語る。

それならば、と野村は積極的に眠り、小人さんに体を貸し続ける。

その結果、野村は一日の大半を寝て過ごす事になる。いい夢を見ながら。

むしろ起きるのが億劫になってくる。

そんなある日の真夜中、ベッドで寝ていた野村は偶然にも小人さん同士の会話を耳にする。

実は小人さんが善行を積んでいるというのは真っ赤な嘘だった。

小人さんの正体は、地底に住む地球先住民族だった。

元は鉱性生物だった彼らは肉体を地球の地殻と同化させ、精神として生き続けていた。

そこで地表を支配した人間が眠っている間に精神を入れ替え、人間社会をのっとろうと画策していたのだ。

そして、最終的には地球を支配すると言う計画だった。

だが、野村にとってはどうでも良かった。

ただ、彼は眠れればよかった。

という夢を野村は見て、目が覚めた。

朝、満員の通勤電車で居眠りしながら思った。

誰が人間社会を支配しようと、それで何が変わるというのか。何が変わるわけでもない。

結局人間はルールに従って、こうやって暮らす以外に何も出来ないのだ。

と、野村の精神を支配する小人さんは野村にそう思わせた。

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2007年9月22日 (土)

ハーベイ・ウォールバンガー

男は思い出せなかった。

ふと仕事中に浮かんだ名前「ハーベイ・ウォールバンガー」

…何処かで聞いた事はある。確かに聞いた事がある。

しかし、名前以外は何も思い出せない。

こういうことは、一度気になりだすと喉に引っかかった魚の小骨のように気になる。

うーん、取引先の顧客は…。外国人いないし。

電車の中刷りにあった駅前の英会話学校の先生の名前…じゃないな。

あ、そうだ!あの有名な映画俳優!って、そりゃマーク・ウォールバーグだ。

「ディパーテッド」面白かったなぁ…って違うだろ。

惜しい所カスった気はするが、悩めば悩むほど、思い出せないハーベイ。

お陰で仕事には集中できないし、イライラして来た。

トイレで用を足しているときも、肝心の事に集中できない始末。

おまけに頭の中の小人さんが「ハーベイ♪ハーベイ♪ヘヘイヘイ」と歌いながらダンスを始めた。

畜生!うるさいぞ!

ハーベイって何なんだ!

ガン!

やるせなさにトイレの壁を殴りつけるが、ただ手が痛くなっただけだ。

ん?

「ああっ!これだ!」

結局、ハーベイも俺も、悩んだときは壁を叩いたと言うオチだ。

※ハーベイ・ウォールバンガー (Harvey Wallbanger)
スクリュードライバーにガリアーノを加えたレシピ。
カリフォルニアのサーファー、ハーベイがこのカクテルを飲んだが、酔ってカクテルの名前を忘れてしまう。
そこで次の日の朝、カクテルの名前を求めて酒場の壁を叩いて回ったという伝説から有名になったカクテル。

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2007年9月15日 (土)

チェ・ゲバラvsゾンビ軍団vs越中詩朗

1967年。ゲバラは軍事革命のためにボリビアで戦っていた。

ボリビア政府軍は精強で、彼の率いるゲリラ軍は苦戦を強いられていた。

それに加え、ボリビア政府はCIAから極秘裏に支援を受けていたのだ。

その支援の内容とは…。

ある日、政府軍を襲撃した帰りにゲバラは一人仲間とはぐれてしまう。

無線機を壊され、一人きりで追っ手をかわしながら山岳地帯を逃げる。

追いかけるのは、生気の無い目をした、生ける屍達。

これこそCIAがボリビア政府にゲリラ掃討の支援として送り込んだ、ゾンビ軍団だった。

一方、サムライ・シローこと越中詩朗はプロレスの試合が行われるボリビアへと向かっていた。

だが途中でガソリンが無くなり、山道の真ん中で立ち往生することになる。

幸い小さな村が近くにあり、ガソリンを売って貰う越中。

だがその時、村にゾンビ軍団があわられ、片っ端から村人を殺していく。

越中もあっというまにゾンビに補足される。

だが、恐れを知らぬSAMURAIの魂を持つ越中に動揺は無い。

「何だか知らないけど、やってやるって!

ゲバラもゾンビに補足され、戦闘を繰り返しながら逃げる。

途中、小さな村に立ち寄る事になるゲバラ。

だが、そこで見つけたのは村人の死体。

どうやらゾンビは出会った人間は無差別に攻撃するらしい。

このままゾンビを引き連れ、ゲリラの本拠地に帰るわけにもいかない。

覚悟を決め、ゾンビ軍団を完全粉砕することにする。

村で唯一ゾンビに対抗していたのは、元ゲリラ兵士という女、リタだけだった。

ゾンビにやられる寸での所でリタはゲバラに助けられる。

村中に遺棄されていた重火器を使って反撃するゲバラ。

だが、物量に勝り士気も低下しないゾンビ軍団に次第に押されていく。

あやうくやられそうになったゲバラを救ったのは、越中のヒップアタックだった。

偶然の再会を喜び、熱い握手を交わす二人。

実はプロレス好きのカストロ将軍から紹介で二人は以前に知り合っていたのだ。

ゲバラの銃と越中のケツで、ゾンビ軍団は次々に倒されていく。

最後にやって来た身長2mのジャイアントゾンビが暴れまわるが、二人は一歩も引かない。

越中が必殺の2階からのヒップアタックを決めて倒した所に、ゲバラの手榴弾が炸裂。

遂にゾンビ軍団の掃討に成功する。

だが、喜びに浸るゲバラの頭に銃が突きつけられる。リタだ。

彼女こそがこのゾンビを操っていた張本人、CIAに雇われたハイチのブードゥ魔術師なのだ。

だが、彼女は銃を下ろす。戦いの中で、彼女はゲバラに惚れたと言う。

このままゲリラに加わり、一緒に戦いたいというリタを、ゲバラは射殺する。

「自由主義者どもの碌を食んだ奴など信用できん。やれやれ」

「おう、信用できないって!」

やがて騒ぎを聞きつけたゲリラ達がゲバラを迎えに来る。

固い握手で再会を誓い合うゲバラと越中。

ゲバラは再びゲリラ活動に、越中は試合へと、本来の姿に戻っていく。

翌日。

ボリビアの首都、ラパスでの越中の試合が行われている頃。

ゲバラはボリビア政府軍のレンジャー大隊の奇襲を受けて捕らえられ、即日処刑されていた。

最後の瞬間、ゲバラの脳裏に越中の姿が浮かんだかどうかは定かではない。

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2007年9月 7日 (金)

Aさんのこと

 私の知り合いにAさんという人がいるのです。彼は小柄な方で、身長は150cmほどなのです。

 ある日、彼が会社にやってくるなり、「まいったよ!、ほら、これ!」。そう言って、下のほうを指差すのです。Aさんの指差すほうを見てみると、なんと!、AさんのYシャツにくっきりと口紅が付いているのです。その場所は、おへそよりちょっと下のあたり!。やばいです!。なにやら危険なかおりがします!。朝っぱらから不謹慎な!。

 Aさんが言うには、彼が電車に乗っていたとき、彼の前に座っていた女性(Aさんは立っていたそうです)が、あまりの揺れに女性が飛び出してAさんの下腹に顔が当たってしまったと…。

 つまり、事故だというのです。……本当でしょうか?。ちょっと怪しいものです。その日、一日中Aさんは、このネタでいじられていました。

そんなAさんを見ながら、私はいつかAさんを使って一本話を作りたいなぁと思うのです。

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